収納の多さを求める方は多いですが、本当にいたるところに作ることですっきりとしたお家になる?というお話。
『収納はあればあるほどいい』
家を建てる誰もが、
このようにお考えになるでしょう。
しかし、収納を増やせば、
その分、家のコストは上がってしまいます。
そのため、家のコストを上げることなく、
よりたくさんの収納をつくるためにも、
収納に対する勘違いを
正していただかなくてはいけません。
☑収納で一番大切なことは「管理のしやすさ」
例えば、暮らしの拠点となる
リビングダイニングキッチンには、
手紙、書類、薬、文房具、生活用品など、
細かいものがたくさんありますが、
あちこちに散らばって収納があるお家は、
これらを管理しやすいでしょうか?
あちこちに散らばって収納をつくると、
どこに何を置いたのか忘れてしまい、
見つからないか、あるいは探すよりも
買った方が早いと思い、
また同じものを買ってしまうことになります。
結果、またモノが増え
収納の中がさらにゴチャゴチャになります。
また、無駄に奥行きが深い収納も
管理しやすい収納なのでしょうか?
奥行きが深い収納は、
手前にモノを置いてしまうと、
奥に置いてあるものが
取り出しにくくなるし、
奥にあるものを忘れてしまう
原因にもなってしまいますからね。
つまり、いずれにせよ、
決して管理がしやすい収納ではない
ということですね。
☑通り抜け動線は収納を減らす最大の原因
続いて、知っておいていただきたいことが、
通り抜け動線についてです。
収納を通過することが出来る動線や、
玄関を家族用と来客用にわけたりする動線ですね。

この図の右は通常の収納で、
左が使い勝手をよくするために、
通り抜け出来るようにした収納です。
左の場合、収納を通過できるため、
一見、右に比べて使い勝手が
良いように感じるかもしれません。
しかし、通過できるようにしたところで、
「廊下」が収納の中にできてしまい、
結果、収納が大幅に減ってしまっています。
しかも、ドアが1本増えるため、
その分、コストアップすることになります。
つまり、通り抜け動線は、
家のコストをいたずらにあげてしまうのに、
思っていたより収納にモノが置けず、
結果、片づけにくい家をつくってしまう
というわけ、なのです。
☑収納の正しい考え方
収納は床面積ではなく
壁面積で考えるようにしなければいけません。
2m40cmという天井までの高さを
どれだけ有効に使うことが出来るのか?
が大切だということです。
床面積で収納を考えると、
収納がどんどん増えてしまい、
結果、家の価格が高くなってしまいます。
一方で、壁面積で考えるようにすれば、
わずかな床面積でも壁さえ十分にあれば、
相当な収納力があることを
理解できるようになります。
ただし、棚の枚数は、
多めに考えて設置
しないといけないですけどね。
ということで、
コストを上げることなく、
より多くの収納をつくるためにも、
この収納の知識を覚えておいてください!